イーグルクラフト
囮怪獣 プルーマ
Chapter of Return of ULTRAMAN 〜PLOOMA〜
第31話 『悪魔と天使の間に……』より 囮怪獣 プルーマ
 
プルーマの登場エピソードは新マンの中でも傑作と誉れ高い一本なんですが、反対に印象はとても薄いように感じます。デザインのせいなのか、はたまた暗い配色のせいなのか、それとも「囮」という別名に問題があるのでしょうか。「好きな怪獣といったらプルーマは外せないよね〜」なんてセリフはこれまで一度も聞いたことがありませんし、僕自身からしてそうです。聞くところによれば、プルーマはもともと鋼鉄竜としてデザインされたものだとか。その名の異名を持つ怪獣といえば「ミラーマン」のトップを飾ったアイアンであるわけですが、なるほどデザイナーはどちらも米谷佳晃氏であり、オオアルマジロをモチーフとしたデザインはどことなく類似性がみてとれます。世が世なら「ミラーマン」の第一話にプルーマが登場していたのかもしれないと考えると、なんとも不遇な感じがします。ただ、個人的にはアイアンで間違いなかったとは思いますけどね。好き嫌いは別にして、初見でアイアンを見た時のインパクトは凄かったですから(うわっ、怖って……思いました)。

そんなちょっと可哀想なプルーマに光を当てたのはイーグルクラフトの南田哲郎氏です。レジンキットとしてこのサイズでの立体化はおそらく初なのではないでしょうか。ちょっと前傾姿勢のストロングスタイル、威嚇するように口を開き、ベムスターのような黄色い尻尾をピンと突き立てています。プルーマって豪雪地帯で使う蓑によく似ていると昔から思っていたのですが、作ってみるとやはりそんな感じですね。雪ん子みたいです。甲羅は瓦を敷き詰めたような膨らと窪みがあり、背中側から眺めると大柄なシルエットになります。つまりは見所って沢山ある怪獣なんです。南田さんは愛情たっぷりにその一つ一つを表現されています。



彩色に関しては、結構悩みました。これまでに何度もお伝えしている通り、シンプルなものほど手強いのです。プルーマの体色はほぼ単色、何色と言うにはどうにもはっきりしません。いつものようにフラットブラックを凹の部分に意識して置き、周辺をジャーマングレーでまとめました。ここまではエアブラシです。このままではのっぺりしていますので、部分的に筆を使って艦艇色を塗り込みます。(やり過ぎかな)と感じるくらいに色を入れても構いません。後ほど、しっかりとバランスを取れますから。再び筆をエアブラシに持ち替え、今度は青味を入れていきます。フィールドブルーで茶色を抑えつつ、色の厚みを足していきます。甲羅もその要領で筆とエアブラシを交互に使いながら色を足していきます。配分や色の置き場はその人の感覚ですね。(自分はこんな雰囲気が好みだな)と思えば、それに準じるのがベストだと思います。ホビーって誰に従う必要もない、自分だけのシアワセの追求ですから。
仕上がったプルーマを台座に置き、写真を撮ります。決して囮ではない、鋼鉄竜の威厳が垣間見れました。















全高 パーツ数 付属品 原型師
315mm 10点 アドバルーン&ゼラン星人(少年の姿) 南田 哲郎