ダイモス
巨大猿 ゴロー
Chapter of ULTRAQ 〜GORO〜
第2話 『五郎とゴロー』より 巨大猿 ゴロー
ダイモス WF限定作品 NO:2
 
原型師の村上寛氏は、巷では「猿愛の人」と噂されている。ただ、その理由は単に猿が好きだから、というだけではないように思う。なぜなら、村上氏の作る猿型の怪獣は実に素晴らしい。我が家にはゴローとゴーロン星人の二体があるのだが、どちらも出色の出来である。この毛並みの表現をじっくりと眺めてほしい。キットは硬質であるにもかかわらず、ふわりとした柔らかさが感じられる。それを、着ぐるみの持つ厚み、皺の流れ、たるみを損なうことなく形にすることに成功している。まさに猿愛、執念の造型だと思う。
ライターのヤマダマサミ氏いわく、ゴローは「キングコング対ゴジラ」で使用されたコングの着ぐるみが流用されたそうだ。その際、東宝特美によって改造が施されているとのことである。僕には具体的な改造箇所は分からない。ただ、コングとゴローの写真を並べて眺めると、肩の張りや胸板の分厚さが違う。その為、全身のシルエットが異なる。レスラーのような体型のコングに対し、ゴローは割とスリムに見える。また、厳つい顔つきのコングに対して、ゴローはもう少し穏やかな表情をしている。南海の魔人と大猿とでは、迫力に差があるのは当然なのだろう。
塗装はシンプルにおこなった。一番陰になる部分にいつも通りブラックを置き、そこからレッドブラウンとブラックを混ぜたものを乗せ、さらにレッドブラウンのみ、そこからダークアース、艦艇色などを塗り込んでいった。薄めたエナメル系のシーブルーを暗い部分に筆塗りし、それが渇いたら、アクセントとしてアクリル系のフィールドブルーを皺に沿って筆塗りした。やり過ぎた箇所はダークアースや艦艇色でもう一度上から整え、それを何度か繰り返した。特徴的な目はホワイトの上から薄めたクリアーオレンジを塗り、縁をクリアーレッドで整え、ブラウンの上から何度かスモークを塗って表現してみた。全身と尻尾の二点という驚異のパーツ割、パーティングラインも目立つものはほとんどなく、気泡にいたってはただの一カ所も見当たらない。造型の素晴らしさだけではなく、こんなにストレスを感じずにひたすら塗装に集中できるキットなんて、そうそうお目にはかかれない。










全高 重量 全パーツ数 付属品
270mm 900g 2点 なし
原型師      
村上 寛