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GORT
宇宙怪獣 ザイクロン
Chapter of THE☆ULTRAMAN 〜ZYCLON〜
第14話 『悪魔の星が来た!!』より 宇宙怪獣 ザイクロン
 


『マイナーなキャラほど己の全力をもって向き合うべし』
これはガレージキットを作る上でのまごうことなき心情だ。ゴートの杉本さんから新作情報が届いた時、ハッとなると同時に(これは是が非でも作らねば)と思った。コンビューゴンに続き、『ザ☆ウルトラマン』からの新たな怪獣登場。しかもそれが宇宙怪獣ザイクロンときてる。(なんてところを攻めてくるんだ……)と驚きと興奮が入り乱れた。真面目な話、一体どれほどの人がザイクロンという名前を聞いてピンとくるのだろう。おそらく少数ではないかと思う。当然ながら僕はきた。いや、きまくったと言った方が正しい。聞くところによると怪獣消しゴムのラインナップにはなっていたらしいが、ガレージキットではおそらく初めての立体化ではなかろうか。しかもご覧の通り、とびっきりの造型である。流石は杉本さんだ。どんな怪獣にも愛情深く接する心がなければ、ここまでの造り込みは出来ないと思う。だからこそこういうキットには己の全力を以て応えなければならない。自然とそんな気持ちになる。



少しザイクロン自体の話をしよう。球体と呼ぶには少々憚られる姿をしている。ゴルゴスやゴルバゴスのようなゴツゴツとした岩石肌をしており、真ん中にはカエルに似た丸い顔がある。口はまるで大穴のようで、その周囲には鋭い嘴のような歯が四本生えている。なんとなくベムスターのお腹のようにもみえる。全身には複数のトゲがあり、特に背中には死角からの攻撃を防ぐ為か、タケノコ状の太い棘が伸びている。特筆すべきは下半身で、まるで足のような手がついている。これで歩いたり走ったり、時にはウルトラマンと取っ組み合いだってする。重力の無い宇宙空間ならではの表現だ。こんなデザイン、実写では即座に却下だろう。アニメならではの自由奔放さがザイクロンの大きな魅力になっている。



塗装はいつも通り、資料と睨めっこという訳にはいかない。セル画に描かれた絵の情報から色をイメージしなければならないので、むしろ何倍も難しい。ザイクロンの体色はカーキ、棘は明るいブラウン、顔と足はダークブラウンだ。これを基本色にして、実写だったらこんな感じになるかなと想像しながら塗り進める。岩石肌は明るい色、暗い色をウオッシング、棘も単にベタなブラウンだと味気ないので、百戦錬磨っぽく色調を変化させてみた。このキットはスタンダードな30cmではなく、20cmほどの大きさだ。ボークスJr.の感覚である。もはやスタンダードに慣れている身としては、目や歯を塗るのがとても小さくて、拡大鏡を使ってもかなり難儀した。でもだ。何度でも言うが手は決して抜いていないのであしからず(笑)



宇宙怪獣ザイクロン、この画像を見ながら当時の記憶を呼び覚ましたり、新たに興味を持ってもらえれば嬉しい。昔はそんな気持ちは無かったが、最近では呼び水になることを意識して作ったり、写真を撮ったりしている。僕も随分と怪獣キットに愛が深くなったもんだとつくづく思うこの頃である。






















 

全高 パーツ数 材質 付属品
100mm 7点 ウレタン樹脂 なし
原型製作      
杉本 浩二