第34話 『許されざる命』より 合成怪獣 レオゴン
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:142
 

街中をパトロール中の岸田と郷が怪電波をキャッチする。「なんてことない住宅街なのに………」、いぶかしむ郷………。同じ頃、坂田自動車工場に男が訪ねて来る。今日の仕事はお終いという坂田に必要に食い下がる男。「どうしても今日中にこれが必要なんだ!」と強引に設計図を広げてみせる。男の名は水野一郎、水野生物研究所の生物学者であり、幼い頃の郷秀樹の親友だった――――。



中性怪獣レオゴン、ここでの中性とは動物と植物の間という意味である。水野一郎がトカゲとウツボカヅラにα−レオン電磁波を当てて誕生させた。この設定、怪獣ファンならば聞き覚えがあるだろう。そう、「ゴジラVSビオランテ」だ。ビオランテもゴジラの細胞とバラの細胞を合成して誕生した。原案は共に同じ、小林晋一郎氏である。
巨大化したレオゴンが芦ノ湖に出現する。ワニのような顔、緑色の体色、背中にはウツボカズラのような形をした突起が2本突き出ている。そこから蔓を伸ばして遊覧船を捕らえたり、マットジャイロに巻き付いて航行不能にする。まさに動物と植物の両面を兼ね備えた怪獣の面目躍如だ。ただ、怪獣としての魅力には今一つ掛けているのか、キット化されたものはJr.ワールド以外には見当たらない………。そんな唯一のキットを造り出したのはやはりこの人、杉浦氏である。
今回、レオゴンを組んでいて初めて知り得たのが尻尾の形状。劇中ではずっと湖の中にいる為尻尾は見えない。今回、この解説文を書くに当ってDVDを見返したが、やはり尻尾がきちんと映っているカットはなかった。まさかこんな楓の葉っぱみたいな形だったとは思いもよらなかった。そんな訳で、尻尾の塗装は自由なイメージで塗っている。体色はベースにブラウン、そこから背中をダークグリーン系で、腹は逆にライトグリーン系でドライブラシした。背中の突起は苔や水垢が付いたようなイメージで汚しをかけてみた。Jr.ワールド中でも大振りな方のキットである。


全高 重量 材質 原型
170mm 425g ウレタン樹脂 杉浦 千里