第20話 『怪獣は宇宙の流れ星』より 磁力怪獣 マグネドン
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:158
 

富山県黒部―――。ある日、熊沢渓谷一帯に強力な磁場が発生し、航空機の墜落事故が頻発する。異常事態を解明する為に現地へ飛ぶマット。突如その眼前に、地表を破って怪獣が出現する。今回の事件の元凶、全身が磁気の塊であるマグネドンだった。  黒くゴツゴツした体表の左右には、赤い大きな角が四本づつ並んでいる。ゴロゴロと雷が轟くような咆哮を上げるマグネドンは、とても好きな怪獣の一つである。しかし、本編中ではグーグーと寝てばかりで、今一つ迫力に欠けていた。





子供の頃磁石で遊んだ人ならば、マグネドンを見ると「なるほど」と思うだろう。黒と赤、  磁石の色分けがそのままマグネドンの体色となっている。磁力怪獣というコンセプトを表現する上で、これ以上の色使いはないと言える。さて、このマグネドン、マグマが強固に固まってできた身体の為、却って衝撃には非常に脆いという特性があった。普通爆弾で簡単に爆発四散してしまう。しかし、ここからが磁力怪獣の真骨頂である。バラバラに吹き飛んだマグネドンの身体に雷が落ちた時、磁力を取り戻して再び結合してしまう。腕やら頭やらがゴソゴソと蠢いて元通りになるシーンは、ギエロン星獣復活の場面を思い起こさせるものだった―――。  マグネドンの組み立てに特段苦労はなかった。そして、塗装もスムーズに…………、といけば良かったのだが、そう簡単には進まなかった。体色の大部分を占める黒、資料をよく見ると、これが黒の単色ではない。身体のあちこちに、まるで静脈を示すような青色の筋が幾重にも広がっている。これは筆塗りで表現してみた。また、背中の赤い大角も単に赤色という訳ではなく、所々に黒い筋の入った赤、オレンジ色といった具合である。茶色をベースにオレンジや赤をエアブラシで吹いていったのだが、ついには思うような表現には至らなかった…………。





全高 重量 材質 原型
100mm 435g ウレタン樹脂 河本 建次