第1話 『怪獣総進撃』 より ヘドロ怪獣 ザザーン
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:150
 


ザザーンの事は良く覚えている。怪獣ごっこをする際、ケンカの弱い奴はきまってザザーン役だった。噛ませ犬、敵役、引き立て役、それがお決まりの役所だった。栄えある帰って来たウルトラマン第1話、それが登場後僅か数分でタッコングに敗れ去った。ウルトラ怪獣史上最も粗末な扱われ方だった………。しかも未だ持ってどうしてやられたのか、僕にははっきりとわかっていない。タッコングに押されて倒れてそれから………打ち所が悪かったとしか言いようのないやられ方だった。そんな弱虫ザザーン、吟遊詩人が好む三角形の帽子を被ったような形の頭、凹凸のないズドンとした体型をびっちりと海草が覆っている。キットを作らなければ、こんなに細部まで見る事は永遠になかったに違いない。原型は新マン怪獣定番杉浦氏だ。弱いからといって一切の手抜きはナシ、幾重にも重なった海草のようなヒレ、歪んだ形状の口、写真ではよくわからない独特の釣上がった目まできちんと造り込まれている。さすが職人の技である。
塗装はベースをブラックグリーンで整えた。至る所に隙間があるので入念に墨入れを施し、エアブラシでブラウン、グリーン、イエローとありとあらゆる色を吹き付けた。ドライブラシはほとんどしていない。最後に濡れた感じを出す為クリアースプレーを吹き付けた。水も滴るザザーンというところである。それにしてもこの体色にピンクの唇はとてつもなく目立つ。大阪にこんな感じのおばちゃんがいそうだ………。

全高 全長 重量 原型
180mm 60mm 405g 杉浦 千里