第29話 『地底への挑戦』より 黄金怪獣 ゴルドン
吉野屋徳兵衛
 

日本一の金の埋蔵量で知られる大田山、だが突然、金が採れなくなった。学者達が訪れ原因を究明しようと調査しても、皆目検討がつかない。そんなある日、地鳴りと共に山が崩れ、地中から怪獣が現れる。全身を金色に輝やかせたその怪獣、原因はこのゴルドンにあったのだ。

成田氏曰く、「芋虫からそのアイディアを得た」というゴルドン。なるほど太目の蛇腹っぷりに芋虫の片鱗が見て取れる。デザイン画を見ても、初稿から決定稿まで大きな変化は見られない(しいて言えば、背中の一際大きな突起と尻尾の形状くらい)。ほぼ最初からこのイメージで固まっていたのであろう。しかしそんな大きな芋虫が、最終的には全身金色に輝くのだから物凄い。
ゴルドンを作るのは二度目だ。以前、ボークスJr.で川岸氏原型のものを作った。それをショウケースから引っ張り出して、これからチャレンジする仮組みしたゴルドンと並べてみる。デカい………。そして重い………。まるで幼虫と成虫である。先行きに不安を感じながら頭の中で塗装の組み立てをしていると、ある事に気が付いた。後足の踵(かかと)部分に背中と同じ突起物が付いている。ボークスJr.の方にはそんなものはない。急いでDVDを引っ張り出し、映像で確認をしてみると―――、あった!分かり難いが確かに突起が付いている。凄まじい再現性に思わず唸る。そして、俄然やる気が湧いて来た。
そんなゴルドンは吉野家徳兵衛からウルトラ怪獣最初のキットとして発売された。原型を担当したのは橋本智氏、宇宙人から怪獣、果ては墓場鬼太郎のようなキャラクターまでどんなものでもまとめ上げてしまう力量は驚異的。現在活躍中の原型師の中で、確実に五指に入る素晴らしい腕の持ち主である。塗装はベースにダークブラウン、墨入れはブラック+レッドブラウンでエッジが際立つようにした。ゴールドを数種類使い分けてブラッシング、細かい部分は筆を使って完成させた。



全高 重量 材質 原型
270mm 2000g ウレタン樹脂 橋本 智
(おまんたワールド)