地底怪獣 テレスドン TYPET
第39話 『さらばウルトラマン』より ゾフィー
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:042
 

ウルトラマンが死んだ………。あの時に受けた衝撃は生涯忘れる事はないだろう。だが、その数分後、それを上回る衝撃が眼前に展開される。「ウルトラマンが2人!?」。声を震わせて呟くフジ隊員の言葉を受けて、岩本博士が答える。「光の国の使いだよ」。大地に横たわるウルトラマンの亡骸を赤い火の玉が包み込む。そして彼は静かにウルトラマンに呼びかけた。「私はM78星雲の宇宙警備隊員、ゾフィー」と―――。



「ウルトラ兄弟の中でパパは誰が一番好き?」。娘にそう尋ねられた時、僕は迷わずに答えた。「ゾフィーだよ」と。ゾフィーの登場は本当に衝撃的だった。宇宙警備隊員という役職も、命を2つ持っている事も、ハヤタとウルトラマンの身体を分離できる事も、すべてが驚きだった。だが僕が何よりも驚嘆したのは、あのウルトラマンを「お前」と呼べる事実であった。「お前」という言葉は決して目上の者に使う言葉ではない。という事はゾフィーは明らかにウルトラマンよりも実力が上、ウルトラマンよりも強いという事になる。最終回で突然知らされたこの現実は、ゼットンにウルトラマンが殺された事以上の大問題であった。その日以来、僕の心の中ではゾフィーはいつも特別の場所にいる。  ゾフィーはウルトラマンBタイプの顔にAタイプの身体を改造して作られた。身体を走る赤いカラーリングもウルトラマンとは異なり、何よりも胸と肩に無数の丸い突起があるのが特徴である。ツルリとしたウルトラマンとは違って、ゾフィーの突起はとてつもなく強い超人である証のような気がする。  そんなゾフィーの原型は林氏が作り上げた。静かにウルトラマンに語りかけるゾフィーが丁寧に表現されている。左手は命の玉を持ったバージョンと、手を開いたバージョンの選択式。かゆい所に手が届くような通好みのパーツ分けとなっている。ゾフィーの実力が我々の前で披露されるのは、ずっと後のウルトラマンエースの時である。もしも必殺技のM87光線が発射されていれば、ゼットンは一撃で倒されたに違いない。そうなっていれば林氏のゾフィーのポーズも、随分変わっていただろうと思う。


全高 重量 材質 原型
180mm 60g ウレタン樹脂 林 功次郎