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第37話 『小さな英雄』より 怪獣酋長 ジェロニモン
アス工房 アレイド ウルトラマンシリーズNO.13
 


浅川さんのホームページにジェロニモンの原型がアップされた時、「おおっ!」と声を上げた人は多いだろう。かくいう僕もその一人だ。圧倒的な存在感に一発で魅了された。なんとしても作ってみたい、そう思わせる雰囲気を醸し出していた。だが、作り出してみるとそう簡単にはいかない事がすぐに分かった。やはり、圧倒的なモノを作るには、それに見合う、もしくはそれを超えるほどの情熱が必要となる。
「あなたのガレージキット熱はどれほどのもの?」
そう問い掛けられながらの製作となった。
塗装に入る前の成型にも、当然それなりの手間と時間がかかる。特に髭、手と足回りの毛、そして羽根のバリ取りはひたすら忍耐との戦いだ。洗浄し、乾かし、筆でサフを塗る。準備が整ったところで、まずは毛を仕上げることから始めた。そうしなければ、足や手が取り付けられない。ブラウンやイエローをベースにして奥行きを出し、エナメルで墨入れして締める。造型の最大限の良さを引き出し、ウェーブのかかった毛並みを表現する為、凸部分をホワイトで筆塗りしていった。最初からこれをやろうと決めてはいたのだが、丸一日半も掛かってしまった……。体色はブラックをベースに濃いブルー系で色調を整えた。これはのっぺりした体色に深みを出す重要な作業だ。全身を走るイエローのラインは、オレンジやレモンイエローなど幾つかの色を重ねてみた。全身の塗装が終わったら、次は羽根だ。羽根の無いジェロニモンは坊主頭で、これはこれで味わいはあるのだが、やはり虚しい。羽根の裏にナンバリングされた番号を確認し、インストを見ながら指定された色を塗っていく。塗装の終わった羽根は赤、青、オレンジと色ごとにビニール袋に振り分けた。取り付けは尻尾の方から順に始め、背中、後頭部と攻め上がる。後頭部から顔にかけての取り付けは、羽根の向きなども考慮しなければならないので、かなりの手間がかかった。
兎に角、作り応えがハンパない! 浅川さんの手掛ける初代ウルトラマン怪獣の造形がいかに凄まじいものなのか、身をもって知る機会となった。



全高 重量 材質 原型師
420mm
(羽根の先端まで)
1600g ウレタン樹脂 浅川 洋