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第33話 『散歩する惑星』より メカニズム怪獣 リッガー
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:106
 

「この島はまるで、散歩する惑星ですよ」。そう評するダン。アステロイドベルトから外れて突然地球に飛来した直径1kmもある浮島は、時限爆弾を搭載した巨大な火薬庫であった。目標は地球防衛軍極東基地。だが、基地内は迎撃どころか大混乱に陥っていた。浮島が猛烈な出力の電波を放出している為、レーダーはおろか総てのコンピューターが使用不能に陥ったのだ。すかさずウルトラアイを装着するダン。しかし、電波の影響からか変身できない。目の前には島を守るメカニズム怪獣リッガーが迫っていた―――。

宇宙からの侵略を描いたウルトラセブンの世界には、宇宙人こそ登場すれ怪獣は少ない。中でも四足型の怪獣ともなれば数えるほどである。このリッガーはそんな貴重な一匹なのである。巨大な頭と長い尾を振り回して迫ってくるリッガー、正統派怪獣として申し分のない存在だと書きたい所なのだが……、何分印象が悪過ぎる。あの大きなピンク色の目。いくら機械(メカニズム)怪獣だからといって、ピンク色の目はひどい。その目のせいでリッガーの表情は随分陰険なものになってしまった。また、対戦相手にアギラが来た事もリッガーの印象にはマイナスとなった。大きなリッガーと小さなアギラ。柔よく剛を制すの精神と判官贔屓の日本人にとって、リッガー相手に健気に闘うアギラを自然と応援したくなるのは性である。そんなアギラに白目を剥かせるほど何度も尻尾で叩きのめすリッガー。これで悪役は決定となった…………。さて、リッガーもまた改造怪獣である。第28話「700キロを突っ走れ」に登場した恐竜戦車。戦車の上に恐竜が乗っているというとんでもない発想の怪獣を使用して、恐竜の首をすげ替え、後足を付け加えて完成させた。しかし、劇中でリッガーの痛みは激しく、首や胴体からはボロボロになったウレタンがぶら下がり無残な印象を与えていた。だが、村田氏の作ったリッガーは違う。生き生きとして躍動感に富んだポージングのリッガーを見ると、ほんとうはこんなにカッコ良かったのかとあらためて気付かされる。さすがである。劇中、霧に隠れて見え難い手足の造形もきっちりと行われている所がまた嬉しい。





全高 重量 材質 原型
85mm 205g ウレタン樹脂 村田 幸徳