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かなめみお
催眠宇宙人 ペガ星人
Chapter of ULTRASEVEN 〜ALIEN PEGA〜
第32話 『必殺の0.1秒』より 催眠宇宙人 ペガ星人
かなめみお 怪々大行進 NO:26
 


ウルトラセブンも中期に差し掛かると予算組みが苦しくなったという。物語はますます深度を増していくが、反比例するように特撮場面は減っていく。このペガ星人も本編では僅かな時間しか登場しない。地球の大気に耐えられない身体という設定が設けられているので撮影は宇宙船の中だけ、しかも等身大だ。ウルトラセブンとの戦いもあっという間に終わってしまう。テレビの中でヒーローショーを見せられているかのようで、ほとんど印象に残らない。……実に勿体ない。なぜならキャラクターは限りなく魅力的だから。手足が長く顔は小さく、モデルのようなスリム体型を青い羽毛が覆っている。まるでファー(毛皮)を纏った貴婦人のような雰囲気だ。ウルトラ界に美の競演があれば、おそらくトップクラスに居並ぶ存在だと思う。



原型を造ったのは森下要氏だ。2005年発売とあるからもう16年も前になる。仮組みをしたのは随分前だと記憶しているが、まさかそんなに長く戸棚の奥に放っておいたとは……。月日の経つのは怖ろしい。そんなことよりペガ星人だ。一目見て分かるように、素晴らしい細工が施された原型である。重なり合って盛り上がった羽毛が見事に表現されている。硬い粘土を柔らかく優しく魅せるのは匠の技だ。しかも、細かい羽毛が別パーツで用意され、更にディティールアップ出来るように気配りされている。この限りないこだわりが作品という結晶を生むのである。



彩色はこだわりを台無しにしないよう心掛けた。あらためて本編を観て確認すると、胸廻りと下半身に色の差がある。上は濃く、下は白に寄っている。これを基本軸として塗り進めた。スタートは同じブルー系で始めるが、胸廻りは筆で濃いブルーを描き足していく。どちらもタッチでクリアーグリーンを使っているが、それも同じように多め、少なめで描き分けた。身体の芯にはブルーやパーブルを足したブラックを使い、光が当たった時に玉虫色の光沢が出るようにしている。瞳はエナメルのメタリックグレイで軽く覆い、のっぺりとした顔の差異が出るようにした。

今回、あらためて16年前から要さんの造型技術は素晴らしかったのだと再確認させていただいた。







全高 重量 パーツ数 付属品
355mm 800g 8点 羽毛パーツ
原型師      
森下 要