トップページ > ウルトラセブン > ガッツ星人
コモリプロジェクト
分身宇宙人 ガッツ星人
Chapter of ULTRASEVEN 〜ALIEN GUTS〜
第39話 『セブン暗殺計画(前編)』より
第40話 『セブン暗殺計画 (後編)』 まで 分身宇宙人 ガッツ星人
コモリプロジェクト NO:4
 
ガッツ星人を復刻するに至る道のりはコモリプロジェクトの欄に詳しく書いてあるので、こちらでは別の角度からの制作をメインに記したいと思います。
原型は森下要氏です。発表は2004年なのでほぼ二十年前になります。その後、ガッツ星人は様々な形で発表されていますが、僕の中でのベストは今以って要さんの原型です。なんといっても立ち姿がいい。ただ立っているだけなのにしっかり存在感があるんです。「如何なる戦いにも負けたことがない」と豪語するだけの凄みが伝わってきます。
『であるならば、最初のガッツ星人が見てみたい』
いつしかそう思うようになりました。
マニア諸兄はよくご存知だと思うんですが、ガッツ星人は高山工房で完成した姿と本編使用の姿とでは頭部の模様が違います。さらに言えば、目の周りの星マークも色が違っています。なぜか? 現場で塗り替えられた為です。昔はこんなことがよくあったそうです。届いた着ぐるみを見て気に入らないと、スプレー缶を拭きかけて色を変えたり足したりする。どういう理由で頭部の模様が描き変えられたのかは分かりませんが、一色だった色数を増やし、模様も派手になっているところから推察すると、おそらく被写体としてもう少し派手になるようシフトチェンジされたのではと思います。
制作はいつものように洗浄し、目につく気泡をちまちまと埋めていきます。圧倒的に地味な作業ですが、好きな曲でも聞きながら手を動かします。両腕を塗装前に繋げてしまうと内側の部分が塗り難くなるので、彩色してからにしました。薄くサフを塗ったらいよいよ塗装開始です。体色は本編に順じています。基本色はホワイトとグレーとブラック。グレーはかなり悩みました。本編映像やスチール写真では色の雰囲気が異なってみえるから。ミスターカラーのニュートラルグレー(13)に少量のミディアムブルー(XF−18)を足したり引いたりしながら、一番しっくりくる色を探求しました。光沢のあるグリーン部分はメタリックグリーン(77)を、ブラックの部分はベースにシルバーを塗り、その上からタミヤのエナメル、アイアンゴールド(XF−84)を乗せて拭き取り、渋みを出しています。赤い腕の部分はあずき色(81)にクリアーオレンジ(49)やブラウン(7)を調色してそれっぽい感じを作りました。ここまで塗装出来たら両腕をしっかり繋いでパテ埋めです。この原型は腕の角度で変化がつけられるよう、付け根の部分がかなり広く開いています。角度を決めたらがっちりと接着し、隙間をパテで埋め、乾いたら整形します。整形は大事です。身体としっかり馴染むよう根気よくリューターで削ったりサンドペーパーで磨いたりしてください。色が剥がれてもまた塗り直せばいいのでここは大胆にやりましょう。



頭部の模様はデカールシールを貼って仕上げます。僕はプラモデルを作った経験がほとんどないので、デカールシールの扱いになれていません。そこで、メンバーのマスターJこと土井眞一氏に依頼しました。その模様はタイムラプス動画でコモリプロジェクトのページからご覧いただけます。ぜひ、制作の参考にしてください。 頭部に陰影をつけたり、嘴の点々を爪楊枝を使って再現したり、二本あるイエローのラインはイエロー(4)とキャラクターイエロー(109)で挑みました。基本的にマスキングはしておらず、すべて筆塗りで仕上げています。最後にエナメル塗料で汚れや埃を再現したら、台座に乗せて完成です。

制作には手間がかかります。それはもう付き物です。その手間を上手く楽しむことができれば、どんな難物と向き合っても大丈夫だと思います。趣味に余裕は大事です。ゆったりと心に余裕をもって愉しんでいきたいと思います。


















全高 重量 パーツ数 材質
310mm 800g 8点 レジン
付属品 原型製作    
腕パーツ選択式 台座 森下 要