2007/11/27 火曜日

『星野JAPAN』

小森陽一日記 18:18:52

ダルビッシュが投げ、阿部が受け、井端や川崎が守り、新井にサブローに村田が打つ。そんな豪華な選手達をベンチから見守るのは、言わずと知れた闘将星野監督である。

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先日、ヤフードームで行われたオーストラリア代表VS日本代表の壮行試合に出掛けた。今シーズンは7~8回ほどドームを訪れたが、これが今年の締め括りになるだろう。

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ドームの周りはシーズン中となんら変りはなかったが、中に入るとやはり雰囲気は違っていた。バックスクリーンの文字はすべてローマ字表記、ウグイス嬢もこの時ばかりは英語でアナウンスだ。そして大型スクリーンに繰り返し映し出されるJAPANのCM――――。だが、何より雰囲気を異ならせていたのは音、スタンドから聞えて来るトランペットの応援曲が耳慣れないものばかりなのだ。パ・リーグはまだしもセ・リーグになるとほとんどが初めて聞くものばかり。乗り易いテンポのものもあれば、やけにもったいつけて始まるものがあったり、実にカッコいいものがあったりと千差万別で楽しめた。

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試合は5―1で日本代表の勝利。だが、オーストラリア代表の打撃パワーや遠投には目を見張るものがあった。本番では連夜の負けをきっちりと修正してくるに違いない。決して侮れない相手だ。代表選手達も心して対して欲しい。

娘のお土産にビーニーの日本代表バージョンを買った。だが、家に帰ってみると娘は友達の家に泊まりに行っていた。たまに慣れない事をするとこうだもんな………。

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2007/11/20 火曜日

『最終段階』

小森陽一日記 17:48:32

いよいよ我が愛犬マイの服従訓練も最終段階に入って来た。
「すわれ」の停座、「ふせ」の伏臥、「あとへ」の脚側行進、「まて」「よーしこい」の招呼の他、紐やボールを使った訓練など見違えるほど機敏に反応し、訓練士さんの命令通りに動く。その姿は実に誇らしく見える。そして、どんな犬よりも凛々しく見える。

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さて、命令を理解する賢い犬となったマイに対し、目下の問題は人間の方である………。休みの度、家族一同訓練所に通い、訓練士さんの後を受けて懸命に服従訓練を行っているのだが、掛け声の言い間違いはしょっちゅう、足を踏んだり、尻尾を踏んだり、挙句にリードを引っ張り過ぎて首を絞めたりともう散々である………。いや、散々なのはむしろマイの方で、「何、訳の分からん事を言いいよると?」ときっと内心怒っているだろう。それでも文句一つ言わず、懸命にこちらの動きを見つめ、指示に合わせて動いてくれる。なんとも健気な犬である………。

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先日の日曜日も訓練に訪れた。「じゃあやりましょうか」と訓練士さんに声をかけられると、あまり物事に動じないこの僕がさっと緊張する。最初は僕、続いて娘、最後に妻。何度もマイに声を掛けながら訓練をこなしていく――――。

その夜妻は早々にダウン、僕も夕食を食べずに寝た。なんだかとても疲れていた………。 よくよく考えてみれば当然である。今訓練をされているのはマイではない。飼い主である僕等の方なのだから………。

2007/11/13 火曜日

『海外版』

小森陽一日記 18:07:32

マンガは凄い。なぜって、あっという間に国境を越えてしまうから―――。

僕の手元にも毎月海外版が届く。香港、台湾、韓国は言うに及ばずタイやマレーシアなどのアジア諸国、はたまたフランスなどヨーロッパのものもある。馴染みのキャラクター達が僕の知らない言葉で話し、怒り、笑っているのを見ると、なんとも不思議な気持ちになる。

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以前、「トッキュー!!」の取材でインドネシアを訪れた時、本屋さんで見慣れた画を見つけた。言わずと知れた難波麟太郎、それは「海師」のインドネシア版単行本だった。遠く海を越えたジャカルタの本屋で平積みされた本をじっと見つめる。
「逞しく育ったなぁ………」
ある日突然、我が子の活躍を知った親のような心境になった。お土産にどっさり買い込んだのは言うまでもない。まさか店員さんも作者が買い漁っているとは夢にも思わなかっただろうが………。

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多少、受け取りの差があるこそすれ、SFだろうとファンタジーだろうと日本の国家公務員ものであろうと全然大丈夫。アジア人でもヨーロッパ人でもアフリカ人でも、喜怒哀楽の感覚に大差はない。
『人間ってやっぱりベースは同じなんだ………』
マンガに携わって一番実感した事はそれ。そしてそれは、今後の創作活動をしていく上でとても重要なキーになると思う。映画に小説にゲームに、色んな分野に生かしていきたい。

――――なんか最後は決意表明みたいになったな………。

2007/11/9 金曜日

『お布団の中で読む本』

小森陽一日記 17:56:39

前回の風邪繋がりで、今回は本と布団の関係を書こうと思う。
 
本が好きになったのは、やっぱり母親の影響だと思う。小学生の頃はガキ大将をやっていたので、外遊びに忙しくて本を読む事などほとんどなかった。読んでもページをめくる前に眠っていたし………。ただ、風邪をひいて寝込んでいた時は本を読んだ。そして、それらはすべて母親が買って来てくれた。

伝記は好きだった。エジソンやルーズベルト、白瀬轟から南方熊楠まで色んな人の伝記を読んだ。中でも偉人達の子供時代のエピソードはお気に入りだった。大体みんな子供の頃は劣等生でガキ大将なもんだから、
「早く勉強しなさい!」
なんて親に言われても、
「エジソンは好きな事ばっかやってたから偉くなったんだ!」
なんて言い返したりしていた記憶がある。今、僕も娘の切り返しに手を焼いているが、思えば僕自身一緒の事をしていたな………。

マンガは「ドラえもん」に「バンパイヤ」、「ドカベン」なんかも好きだった。あんまり普段は読まないもんだから、いざ読み出すともう止まらない。多少熱が出ていても続きが気になって仕方ない。無理して読んで熱が上がったり、気持ち悪くなった事も多々あった。それでもちょっと症状が軽くなるとページをめくったものだ。

それから当然の如く怪獣図鑑。これはもう枕元の必需品だった。小学館の入門シリーズやケイブン社のウルトラマン大百科は何度読み返したかわからない。特に大百科の方はページが外れてバラバラになって買い直し、それがまたバラバラになったという記憶がある。寝る前の一服ならぬ一めくり………。これはもう至福の時間以外の何物でもない。

そんな自分が紆余曲折の末、本を出す立場になっている。今月末に「海師」が、来月中旬には「トッキュー!!」と、そしてウルトラ怪獣キットの趣味本が発売される。もちろん読者の皆さんにはどんなカタチで読んで貰っても構わないのだが、僕なりのコンセプトは「風邪をひいて苦しい時でも続きが気になって読んでしまう」というものと、「枕元に置きたくなる」というこの二つ。本を出す者として、いや、何よりその本自体がとても幸せだと思う。

最後に、今、こうして自分があるのは母親の影響が大きいと思う。相変わらず旅行しまくって、会うと文句ばっかりで、変らず元気な人だけど、その節はほんとにありがとう。

世のお母さんへ。
子供を将来物書きにしたいと思うなら、風邪をひいた時がチャンスです。その際の本のセレクトは、どうぞ僕のも宜しく。

2007/11/2 金曜日

『風邪をひけない男』

小森陽一日記 20:04:14

あれやらこれやら上京やら、矢のように毎日が過ぎて行く………。気が付けばブログの更新も遅れてしまった。毎回読んでくれている皆さん、ごめんなさい。

今回は風邪にまつわる話をしようと思う。
巷でも急に風邪をひいている人が増えて来た。先週の金曜日、娘も学校で熱を出し早退してきた。数日前から鼻水と咳で賑やかだったので、「あぁ、そろそろ来るな」と予想はしていた。何度言っても風呂から上がってすぐに髪を乾かさない、夜更かしは相変わらず、野菜をちょっとしか食べない、こんな生活なら風邪をひかない方がおかしい。
幸い熱も高くなく、土曜日、日曜日とゴロゴロしていたらすっかり良くなった。でも我が家はここでホッとは出来ない。いつものパターンだとこの風邪は必ず嫁さんに行く。そして、ひどくなって長引くのだ。案の定、土曜日あたりから「喉が痛い」と言い出した。「ヤバイ………」と思ったが、僕は月曜から2泊3日で上京しなければならない。
だが、こちらも幸いにしてひどくはならなかった。旅先から電話を入れると「もう大丈夫。それより明日は○○さんとランチするんだ」なんて能天気な事を言っている。読みが外れたなんて思いながら戻ってくると、そこには厚着をした嫁さんが………。「ぶり返したみたい………」って、そりゃ油断して遊んでたからだろう!!
なぜ僕がこんなに風邪の事でピリピリするかと言うと、それなりの理由があるからだ。何を隠そう僕は風邪をひけない、いや、ひいてはいけない身体なのだ―――。

3年前、やたらめったら締め切りが集中する月があった。毎日くたくたになりながら仕事をしていると、急に身体がだるくなった。
「あ………、風邪だ………」
数十年も生きていると、風邪をひく前触れは分かるものだ。病院に行く暇も惜しかったので、僕は市販の風邪薬を飲んだ。だがこれがいけなかった。翌日、みるみる指先が膨らんで来て、指が曲がらないほどになった。そして強烈な痒み。それが蕁麻疹である事に気付くまでには時間が掛かった。何しろそれまで蕁麻疹なんて出た事などなかったから。痒みは全身に広がっていき、赤い斑点の中に身体が埋もれたようにまでなった。病院に行くと即入院。すぐに解毒しないと危ないとの事だった。
それから一週間解毒措置を施され、ようやく蕁麻疹から開放されるまでになんと2年も掛かった………。2年も、である………。
原因は風邪薬に当ったという事だった。その中の何に当ったのか、色々と調べてもらったが結局はわからずじまい。ただお医者さんには「今後、絶対に風邪薬を飲んではいけません」と言われた。風邪薬を飲めない、つまり風邪をひいてはいけないという事になる………。

手洗いとうがいはきちんとするようにしている。運動不足になりがちなので、散歩やマンションの階段の上り下りなどはなるべくするようにしている。もうあんなにひどい思いをするのはごめんだ。とにかく風邪をひかないようにと摂生している。それなのに娘も嫁さんも好き放題風邪のひき放題!!グズグズコンコンの大合唱である。
まったく………、これじゃぁ背中から刃を受けるようなもんだ………。

追記
皆さん、風邪薬は十分に気をつけて服用して下さい。僕みたいな目に合わないように。

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