2009/12/29 火曜日

『僕の十大ニュース』

小森陽一日記 13:33:40

早一年が過ぎようとしています。現時点で年の瀬の「と」さえ感じる事が出来ないほど、バタバタと仕事に追われています………。しかし、仕事があるというのは幸せな事、支えてくださる人達がいるという事です。その事に深く感謝しつつ、今年の十大ニュース(順不同)を挙げてみたいと思います。

○ 『「マッシュGO!!」打ち切り』
週刊少年マガジンにて鳴り物入りでスタートさせたけど、まったく鳴かず飛ばず………、これはやっぱり堪えた………。

○ 『親父、倒れる』
実父が脳梗塞を起こしてダウン。幸い処置が早かったので後遺症も残らず元気に回復。しかし、元気な人が突然倒れると驚きます………。

『「S 最後の警官」、スタート』
ビッグコミック初上陸。警察の特殊部隊という最高にデリケートな存在を本当に描ききれるのか?不安だらけで初めたが、ようやく軌道にも乗り、自分の気持ちも落ち着いて来た。

『篠原由美、引退………!?』
桜井幸子さんが芸能界を引退!?昨夜突然飛び込んで来たニュースにビックリ。とても静かでいつも後の方からそっと微笑んでいて………、僕には菩薩のような感じに見えていました。桜井さんのこれからに幸多い事を心から祈ってます!!

○ 『小説版、一時中断』
ずっと書き綴っていた「252」の小説版、ついに一時中断の決断をした。色々と理由はあるのだがここで言っても詮ない事………。ただ、まったく新しい消防士の物語を連載準備していますので、先にそちらでお会いしましょう!

『「海猿3」、撮影』
臼井さんの熱意に触れて返事をさせて頂いた。「もう一度、海猿をやりたいんです!」、熱い言葉だったなぁ。スケジュールが合わなくてとうとう現場には行けなかったけど、その分仕上がりが楽しみだ!

『放課後ミッドナイト、製作快調』
夜の小学校で人体模型が大暴れする怪しい映画、どんどんCGが仕上がっていて、それを見る度にワクワクする。あぁ公開が待ち遠しい!!

○ 『グイン・サーガよ、永遠に………』
5月26日、栗本さんが亡くなった。その一報を聞いた瞬間、本当に絶句した。その時あらためて知った。「グイン・サーガ」は自分の中で本当に大きな物語だったんだと言う事を………。素晴らしい物語をありがとうございました!

『家族で初海外旅行』
グアムが果たして純粋な海外か………というと多少疑問も残るが、兎にも角にもパスポートを持って、飛行機に乗って、日本ではない国へと旅立った。娘の中に何かが残っていれば、それで十分。

 『円谷からついに食み出す』
ここまで頑なに守ってきた不文律、ウルトラのキットしか集めない!その誓いをついに破り、東宝もの、東映ものにまで手を出した………。このままでは決壊したダムのごとくズルズル行ってしまう………。どうする、俺!?

こうして振り返ってみると色々とあった一年だった。またきっと来年も色んな事があるんだと思う。どうか楽しい事の多い一年でありますように。

「今年もお世話になりました。それでは皆様、よいお年を!!」

2009/12/22 火曜日

『いぬパ』

小森陽一日記 13:32:58

本格的な冬将軍の到来で、福岡もここ数日雪が舞っている。東京に行くとよく、「福岡は温かいんでしょうねぇ」と言われるが、いえいえ、九州と言えど日本海側ですから、氷点下にもなれば雪だって積もります。大変寒いんです。

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朝起きたら一面薄っすらと雪化粧していた。早速、マイを連れて散歩に出掛ける。マイを見ていると、それなりに寒いとは思うんけどそんな素振りは一切ない。元気いっぱい、尻尾をふりふり、動きにもビシバシとキレがある。いつものコースを辿り、知り合いが残していったのであろうオシッコの匂いを嗅いで、その上に挨拶返しのシー………。ついでにウンも付ける大盤振る舞いだ。

だが、その先で思わぬ事が起きた。ちょうど散歩コースの途中に最近家が建ち始めている。ブルドーザーで掬った土をダンプカーに載せて運んでいる。そのダンプカーがマイの目の前でクラクションを鳴らし、突然動き出したのだ。巨大な鉄の塊が動き出した事にびっくりしたマイは、慌てふためき、混乱し、そこから離れようと激しく身をよじって飛び跳ねた。つまりパニックを起こしたのだ!!

普段と違う雪の積もった道、見慣れない人(赤い棒を持ったヘルメット姿の警備員さん)、そして巨大なダンプカー………、この三つが重なってマイの脳みそは一瞬リミッターがぶっ飛んだ。リードを持つ僕ごと引きずるようにして飛び跳ねた。「よしよし、何も怖くないよ」と声を掛けて撫でてやると、飛び付いて来た。普段はしない仕草を見せるなんて………よほど恐ろしかったとみえる。 

僕はいぬのパニックを「いぬパ」と呼んでいる。「いぬパ」は結構危険だ。中型犬のマイに大人の僕でも振り回されそうになったくらいだから、お年寄りや小さい子だと間違いなく引きずられる。そこに車やバイクが突っ込んで来たら目も当てられない。犬を飼っている皆さん、慣れた散歩コースでも普段と違う条件が重なると「いぬパ」が起こりやすくなります。くれぐれもご注意を―――。

2009/12/15 火曜日

『GANTZ部屋』

小森陽一日記 14:57:32

先日再び上京した折(ほとんど毎週通い状態………)、佐藤Pのお誘いに甘えて日活撮影所に出向いた。そこでは今、超の付く大作、「GANTZ」の撮影が行なわれている――――。

「252」の撮影を懐かしく思い出しながら、目的のスタジオへと歩く。雨の中、出迎えてくれた佐藤Pと久し振りの再会を喜んだ。メールや電話ではやり取りをするが、直接会うのは半年以上になる。だが、積もる話もそこそこに、いきなり主役の一人を紹介された。今や日本最強のグループと言っても過言ではない、「嵐」の二宮くんだ。真っ直ぐにこちらの目を見て挨拶してくる二宮君、その澄んだ目を見ていると、「硫黄島からの手紙」の西郷一等兵が甦って来た。連日のハードな撮影と仕掛けの準備の為の長い待ち時間、「昨日は久し振りに10時に帰れましたよ」なんてニコニコ笑いながら話をしてくれた。レギュラー番組、雑誌の取材、コンサート、恐ろしいくらいの仕事をこなすスーパーアイドル、普通の人間ならプッツンもすればノイローゼにもなりそうなものだが、「常に周りに気をつかったり、話し掛けたりしてくれます。ほんとに頭が下がりますよ」と佐藤P、トップにいる人はこういう所が違う。見習わなければ………。

セットの脇の小部屋にはもう一人の主役、松ケンこと松山ケンイチくんがいた。会うのは「L チェンジ・ザ・ワールド」以来だったが、なんかあの頃より大人びていっそう色気が深まった感じだ。真っ黒のガンツスーツも恐ろしいくらいに似合ってる………。「銭ゲバ」の風太郎や「カムイ外伝」のカムイの演技も実に素晴らしかったけど、今回の役はまたまた新境地かもしれない。兄貴分の佐藤Pとの仕事だし、必ずや圧倒的な松山ケンイチの存在感を見せつけてくれると思う。心から楽しみだ。

セット内で佐藤信介監督に会った。お互い佐藤Pを通じて何度も話は聞いていたから、まったく初対面の感じがしなかった。いや、佐藤監督の気さくでにこやかな雰囲気がそうさせてくれたのかもしれない。とにかく話がし易かった。尽きなかったと言ってもいいくらいだ。「今度ゆっくりご飯を食べましょう」と約束して対面を終えた。

「GANTZ」とはなんの関係もないのに、気がつけば2時間もセットの中にいた。佐藤P、ほんとに長々とお邪魔してすみませんでした。差し入れのコーヒー、送っときますから皆さんで温まって下さい。

追伸
次回の打ち合わせは下田P共々博多でやりましょう!!

2009/12/8 火曜日

『地底GO!GO!GO!』

小森陽一日記 15:42:12

師走は何かと忙しい。お歳暮、年賀状、大掃除にクリスマスパーティ、家庭の事情もさる事ながら、仕事の方もドタバタとなる。もう少し上手に振り分けられればいいのだが、なぜか毎年師走は大わらわとなる………。

先週、東京での取材、打ち合わせを終えて週末帰福。日曜日には娘の音楽発表会があったのでそれを聴きに行く。その夜は東京からマンガ家K氏が前入り、夕食を共にする。翌朝当日入りした編集Tくんと3人で地底へ………、寒空の下、真っ暗闇の下水道の中へと侵入した―――。

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福岡市道路下水道局の皆さんの全面協力により、下水道(雨水管)の様々な場所を取材する事が出来た。最初は雨水調整池に入った。調整池とは文字通り水を一時的に貯め、水の量をコントロールする施設。想定外と言われる雨の降り方が続く昨今、この調整池が果たす役割は大きい。………とは言え、そんな本来の目的よりも地下に広がるこの不思議な空間に見入ってしまった。薄暗い広間の中に整然と建つ無数の柱………、この感じ、まさにイスタンブールにある地下宮殿そのものだった。
そこから2400mmの円筒形の雨水管に浸入、様々な雨水管がぶつかる開合点に向かって歩く。懐中電灯を消せば文字通り真っ暗闇で、方向感覚や距離感さえ失われていく………。これは中々ゾッとする体験だった。
午後からは住宅街に移動して様々な大きさの雨水管に浸入した。中腰にならなければ入れない管、這って行かなければ進めない管、膝まで雨水に浸かって進む管などに全力でアタックした。午前中の立って歩ける管がどれほど夢のようなものなのか、肌身をもって知る事となった………。たった40~50mの距離なのに、どうしようもなく息苦しく、独特の匂いに苛まれ、じりじりと圧迫感に包まれながら、必死になって這い進んで行く。
「もしもこの中に取り残されたら………」 
にじり寄る恐怖は全身から流れる滝のような汗が物語っていた。

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下水道局の皆さん、そして関係業者の皆さん、本当にありがとうございました。このご恩は必ずや作品でお返しいたします。ネットでは決して分からないリアリティ、こんな機会を与えて頂いた事に感謝しつつ、作品に取り掛かりたいと思います。

ちなみに………本日猛烈な筋肉痛であります!!

2009/12/1 火曜日

『金婚式』

小森陽一日記 14:46:21

毎年訪れる結婚記念日、その中で50年添い遂げた夫婦に訪れるのが金婚式である。
この度、義理の父母が金婚式を迎えた。我が家と姉夫婦とでささやかなお祝いを開いた次第である。

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イタリアの郷土料理の店、「GASHIYO del mare」にてパーティ、ファグラやエスカルゴに舌鼓を打ち、生ビールや赤ワインで喉を潤す。主役そっちのけでしばし料理にがっついてしまった………。海の幸のリゾット、そしてスズキのパイ包み焼きに到る頃にはもう満腹………、ラストのドルチェに到っては撃沈寸前だった………。最初のペースはどこへやら、見事にペースダウンしてしまった。いつまでたってもコース料理には馴染めないせっかちな性格なのでした………。

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それにしても結婚50年か………。半世紀はやはり凄い。こうなったら55周年のエメラルド婚式、60周年のダイヤモンド婚式、頂点の75周年、プラチナ婚式まで駆け上がって頂きたいものだ。病気をせず、いつまでも仲良くお元気で!!

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