2012/4/24 火曜日

『試写に行く』

小森陽一日記 15:34:32

先日、『放課後ミッドナイトパーティ』の関係者試写に行った。座席に着くと直ぐ、監督の竹清くんが舞台挨拶に現れた。
「5年近くの歳月を経てようやく完成しました。観て下さい」
はにかみながら早口で言うと、そそくさと袖に引っ込んだ。なんとも恥ずかしがり屋さんだ。人体模型と骨格標本が大暴れする破天荒で無国籍な映画を作ったのだから、
「テメェら、観たかったら見せてやるぜ! 笑い死んでも知らねぇからな、ゲハハハハ!!!」
とそれぐらい派手に叫んで欲しかった。うん、本番の舞台挨拶までに修正を勧めておこう。

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映画はほんとに愉しかった。これまでの苦労や様々な出来事など、綺麗さっぱり消えてなくなるくらい愉しかった。キュンストレーキが、ゴスが、マ・ミ・ムの三人組が、実にイキイキと夜の小学校を駆け回っていた。声という命を吹き込んでいただいた山寺さんと田口さんの掛け合い、腹がよじれるほど笑わされた。大好きなアニメ、「カーボーイ・ビバップ」のスパイクが、不思議とキュンストレーキに重なる瞬間があって最高に痺れた。

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もちろん全てを手放しで褒めるつもりはない。作った側としては反省点も多々ある。しかし、それは今後幾らでも直していける。竹清監督の伸び白は相当な量ある。これは断言出来る。

皆さんがこの作品を観てどんな事を感じるのか、益々公開が楽しみになって来た。8.25、家族で、恋人と、友達と、一人で、是非劇場に足を運んで下さい。騒々しい夜の住人達が絶対に退屈させませんから!

2012/4/17 火曜日

『んふんふ』

小森陽一日記 10:51:07

これ、なめこの口癖です。きゃりーぱみゅぱみゅと同じくらい言い難い。でも、口に出すと不思議とクセになります。
「んふんふ」
なめこパラダイス、娘は今日もipadでせっせとなめこを栽培しております。

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さて、我が家の住人はこんな風に何かを作る事が大好きです。なめこ栽培を愉しんでいる娘はプラモデルもよく作ります。今はこれ、ルフィーのプラモに挑戦中。以前はさくさくと孫悟空を作ってテレビの隣に飾っておりました。中を見ると、それなりにパーツが多くて結構手強そう。でも、面白いんだそうです。

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嫁さんはと言うとコレ、ナノブロックにはまってます。買い物に出かけると、買い物袋の片隅にコレが入っている事がよくあります。「手元が霞んで見えない!」と言う割には、こんな小さいブロック模型を作ってる。実に不思議なものです。作った作品はやはりテレビの隣に飾ってます。二人ともどうしてテレビの隣に飾るんだろ……。

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僕はと言うと今更言うには及びません。今日もコレが届きました。ガレージキットのガラモン。ウロコパーツだけで264枚と、とんでもない大作です。でもこれが楽しい。手強いけど楽しい。マンガや映画や小説と一緒です。難儀だけど出来た時の喜びたるや、他に変え難し!

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これは病気、いや遺伝でしょうか。亡くなった義母は刺繍が得意でした。僕のキットにも興味ありありで、「一度作ってみたい」と申しておりました。お袋さんはというと趣味がパズルです。今年喜寿だというのに、パズルに熱中して徹夜すると言うとんでもない人です。

趣味は楽しいものです。それが没頭出来たり集中出来たりするものであれば、とても気分転換になります。ただ一歩間違えると底なし沼なので、そこは上手に付き合っていくしかありません。でも、口で言うほどうまくはいかない。振り返ると僕のキットコレクションも300体を越え、棚の中に入り切れなくなってしまいました。ここまで来ると病気でしょう……。あぁ、どこまで続くのやら。

2012/4/10 火曜日

『花の散るらむ』

小森陽一日記 16:14:05

今年もまた桜が一斉に咲き誇り、花吹雪を舞わせ、鮮やかに散っていった。そんな桜の花びらを見つめながら、「引き際」の事を考えた。

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巷を騒がせたAKB48、あっちゃんこと前田敦子さんの卒業宣言。僕はAKBの事もあっちゃんの事も、四十過ぎのフツーのオッサンが知り得る程度の知識しか持ち合わせていない。そして、フツーに可愛いと思っている。

先日の朝日新聞の夕刊に『「総アンチ社会」に輝く希望』という記事が載っていた。
記事はあっちゃんの引退に触れ、その裏側には「アンチ」という存在があった事が示唆されていた。「アンチ」とはざっくり言ってしまうと「批判する者」の事である。ネットの掲示板はその多くが匿名だ。この匿名と言うのがクセモノで、感想や批評ならまだしも、「死ね」だの「バカ」だの「キモ」だの、ただの言葉のゲロをひたすら垂れ流す。まるで公衆便所だ。
この記事によると、あっちゃんは戦後史上最も批判されたアイドルではないかと言う事だった。AKB48の不動のセンター、抜群の人気と知名度を持つ存在。それが僕の持ってるあっちゃんの認識だったので、これには正直驚いた。そして、記憶の中にある映像を思い起こした。何度も何度もテレビで流れた昨年の総選挙の映像で、あっちゃんはぐしゃぐしゃに涙しながらこんな事を言っていた。
「私のことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないで下さい!」
そうか……。あの時言った言葉はここに通じるんだな……。

そしてあっちゃんは卒業を宣言した。「アンチ」の猛攻にさらされながらもセンターを務め、AKBを国民的アイドルグループと言われるまで押し上げて、自分の言葉で「さよなら」を宣言した。本当にアッパレな引き際だと思う。

その一方で、国民新党の挙動がプチ、巷を騒がせた。代表の亀井静香さんが代表じゃない人達に代表の座を追い落とされたというニュース。これほど間抜けな「引き際」もないだろう。言葉は国民に届かない。党の人間にも届かない。党の人間達もまた、国民に向かって自分の言葉で語ろうしない。どうしようもない。
しかしこれは国民新党に限っての事じゃない。今の政治家はみんなそうだ。ころころころころ、転がるボールみたいに国のリーダーが変わる。方や一人の女の子が「アンチ」にさらされながらも笑顔を絶やさず、マイクに向かって自分の言葉で話をしているのに、国民に選ばれた人達が、この大いなる国難の時に意味不明の政争を繰り返し、自分の言葉を語りもせず、投げ出したり逃げ出したり追い出されたりして退場する。これがこの国の今だ。

散歩の途中、緑色の草の上に落ちた桜の花びらを見つけた。
「後は頼む」
しっかりと自分の仕事を終え、次の季節へと橋渡しをする。そこにさっぱりとした「引き際」を感じた。

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2012/4/3 火曜日

『桜だ! 春だ! USJ弾丸ツアー!!』

小森陽一日記 11:59:31

『桜だ! 春だ! USJ弾丸ツアー!!』

―――と言う訳で一路大阪へ。え? 何しに行ったのかって?? もちろん春休みの家族サービスに決まってます! 家の中が冷えないように、世のお父さんは身体にムチ打って頑張ってるんです!!!! めちゃ疲れたけど……。

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USJはこれで二度目。一度目は娘がまだ小さくて小心で異常な怖がりだったから、ほとんどのアトラクションを見れずに終わった。「暗いのコワイ! 狭いのコワイよぉ!」ってあの頃はまるで「うる星やつら」の面堂みたいだったからなぁ。

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今回は娘の幼友達でもあるTさん家族と一緒に出掛けた。二日間USJにいたのだが、いやはや寒かった……。初日はまだ晴れていて、日が出ている内はよかったのだが、翌日は一転してドシャ降り。お昼から雨は上がったものの風が強くて冷たかった。あそこは海沿いだから一段と身体に厳しい風が吹く。
……それでも子供は遊びます。合羽を着込んでジェットコースターに繰り返し乗りまくり、アトラクションのはしご、買い物もお店のはしご、こっちは足が痛いわ寒いわ腹減ったわでヘロヘロ。いやぁ、あの無尽蔵のエネルギーが羨ましい。僕のエネルギーは一体いつ、どこへ行ってしまったんでしょう……。
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それにしてもUSJのアトラクションってこんなに激しかったっけ? 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にしても「スパイダーマン」にしても、乗り物がガンガン揺れるからすっかり酔ってしまった……。近々体験せねばならないある大きな取材に、弾みになるどころかただならぬ不安を抱える結果となりました。マジで心配だ……。
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今回の弾丸ツアーで僕的にほっと出来たのは、新地の中にあるお好み焼きやさん(「宮生」さん)で本場の味を堪能出来た事。子供達はバーガー食べながらホテルでお留守番、大人だけで参りました。念仏のように「お好み焼き、お好み焼き……」と唱えていた嫁さんはニコニコ顔、Tさん夫婦も満足そうだった。どろソースの焼きソバ、もう一度食べたい! そうそう、店に飾られていたTKO木下さんのサインがとても可愛らしくて驚いた。一泊二日でほんとに弾丸だったけど、寒かったけど、酔ったけど、やっぱり旅は面白い。梅田周辺の変わり様に目が点になったが、西九条から北に向かう高架下の風景はそのまんま。久し振り、ゆっくりと足の向くまま大阪の街を散歩してみたくなった。追記
一度キット熱に火が点くと、いても立ってもいられない。旅に出る直前まで塗り倒しておりました。怪獣無法地帯のモンスタークラシックス「ガヴァドンB」、完成した写真はキットのページに乗っけておきます!
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