2008/4/30 水曜日

『毎度、ご馳走様ですっ!!』

仕事の打合せで、友人と、家族と、よくよく通わせてもらっている店が幾つかある。ここもその一つだ。
『酒膳町家 暮れ六つ』
細い路地の突き当り、ぼおっと煙る灯りに照らされた古びたお屋敷。まさに通好みの佇まいといったところだ。

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こじんまりとした入り口をくぐると、薄暗い店内から「いらっしゃいませ」と声が掛かる。店内はカウンターと個室、2階にも広めの座敷と幾つかの個室がある。それだけ部屋数があってもだいたいは満員、特に金曜日は前もって予約を入れておかないと、カウンターにすら座れない事もしばしばだ。

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ビールで乾杯したら小鉢を突きつつ話をする。この夜の小鉢は僕の大好物のタコだった。当然話も弾む。

マンガの打合せ、映画の打合せ、これからの展望、新しい出会い………、この店の料理に舌鼓を打ちながら、日々いろんな話をしている。僕の大事な友人の中でまだこの店に連れて来れていないのは久保ミツロウくらいか。今度九州に戻ってきたら、是非とも招待しようと思っている。壁に飾ってある麟太郎の色紙(しかもカラー!)を見たら、きっと燃えずにはいられない。――――楽しみだ。

大将、女将さん、そしてお店の皆さん、いつもほんとにありがとう。これからも旨いお付き合いを宜しくお願いします!!

2008/4/22 火曜日

『マイ・ハウス』

小森陽一日記 17:26:03

我が家の庭に柵が設置され、その奥に立派な犬小屋が鎮座した。後は主役のお帰りを待つだけである。
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帰ってきたらまず何をしようか。散歩、食事、それともシャンプー。いやいや、きっとおしっこあたりが妥当なところだろう………。それでも十分だ。真っ直ぐな愛情を振りまく存在がそこにある―――。それだけで幸せになれる。それに………僕の運動不足にも一役買ってくれる………。  

2008/4/15 火曜日

『持て成す』

小森陽一日記 18:41:44

広辞苑によると「持て成す」の意味は、取り成す、振舞い、取り扱い、そして馳走とある。馳走とはもちろん「ごちそう」の事である。

さて、どうしてこういう事を書き出したかと言えば、最近つとに持て成したり持て成されたりする事が多いからである。自宅のある福岡と仕事先の東京、僕はその間を行ったり来たりする。僕に用がある人も当然行ったり来たりする。先週火曜日には週刊少年マガジンのSさんとTくん、金曜日には「252」の水田監督が来た。明けて月曜日には僕が東京へ。円谷プロで桜井さんや飯島監督、上原正三さんらとお会いし、その後小学館でビッグコミックに移動したKくんやスピリッツの新担当Tくん、そしてT編集長と話をした。福岡に東京組が来ると、打合せの後のご馳走はもちろん二次会の席も用意する。持て成しの心意気を見せる。東京で会うと先週会ったばかりでも「ようこそ」とか「わざわざ」と言われて持て成される。担当編集に聞くと、どうやら僕は他の作家さんに比べて大層しっかりと持て成されているらしい。

持て成す心は距離にも関係があるようだ。遠くからわざわざ出向いて来た相手だから持て成そうと自然に思う。これがいつでも会える相手だとそうはいかない。コーヒーとかラーメンでお終いという打合せも多々存在する。移動するのは確かに面倒な事もあるが、こんな美味しい得点も付くのだ。中々乙なものである。
ただこれが続いてくると胃がやられる。明日はまたプロデューサー2人がやって来る。当然、ご馳走だ。最近、太り気味、それに胃薬が手放せないでいる………。

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文と写真はまったく繋がりがありません。あしからず。

2008/4/8 火曜日

『桜』

小森陽一日記 17:32:47

花見はもう何年もした事がない。桜の下で弁当を広げて食べたり、夜桜を眺めながらお酒を飲んだり………。そういう愛で方をしなくなって随分経つ。だが、桜は好きだ。散歩の途中、買い物の途中、夜の飲み屋街へタクシーで移動中、気付けば桜の方をぼんやりと眺めている―――。
 
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………さて、桜にばかりかまけてもいられない。桜というと新年度、そう仕事だ。現在、様々な作品が同時進行で進んでいる。皆さんにご披露出来るのも近い。
 「まずは自分が楽しみながら―――」
 桜のように華やかな、そして、桜のように皆さんに愛されるような作品を目指したい。
 
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2008/4/1 火曜日

『春眠暁を覚えず』

小森陽一日記 20:06:13

春が来た。ここ数日、ポカポカ陽気が続いている。外を眺めているとフラリと散歩に出たくなる。ゴロリと横になってうつらうつらと惰眠を貪るのもいい。集中力も低下気味………。この時期は1年で最も一番原稿を書くスピードが落ちる。

動物にも春ボケがあるのかどうかは知らない―――。
先日より外構工事が始まっている。コンクリートを敷き、柵を付け、犬小屋を据える。マイを迎える準備が着々と進んでいる。そんなお昼にほど近い時、妻が庭先から僕を呼んだ。その顔付きから緊急を要するものではない。むしろ楽しいというかおかしいというか、妙な事が起こったんだろうと見て取れた。指をさす方向を見るとカラスがいる。ザクザクと土を掘る外構屋さんのすぐ隣で、逃げようともせず、目を白黒させてじっとしている。
「何、あれ………?」
妻に尋ねるとこれまた妙な答えが返って来た。「ドン」と何かがぶつかった音がして外に出て見ると、
「これが落ちて来たんですけど………」
外構屋さんがカラスを抱えて立っていた――――そうである。脳震盪を起こしたらしくしばらくは膝を折り、ぐったりして動かなかったそうだが、僕が見た時には飛びこそしないが立ち上がってしきりに辺りを見回していた。警戒心が強く頭のいいカラスが居眠り飛行で屋根だか壁だかにぶつかる………。まさしく春眠暁を覚えずである。

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最後は羽を広げて飛び立って行った。ご丁寧に捲きフンをして………。

追記
前回ブログに書いた競技会、昨日、訓練士さんから第3席の記念メダルを渡された。赤ん坊の時はなんにでも噛み付き大暴れしていたマイ。将来を悲観する事すらあったが、まさかこんなメダルを頂く事になるなんて思ってもみなかった……。

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