2008/5/27 火曜日

『空前絶後の肉体パフォーマンス』

小森陽一日記 17:24:21

シルク・ドゥ・ソレイユの新作「ドラリオン」を観た。数年前「アレグリア」で味わった圧倒的興奮は、まだ心の中に種火となって燃え続けている。ゾクゾクしながらテントのある箱崎宮へと向った―――。
 

0526_1.jpg

白と青のストライプに彩られた巨大なテントを見ると、あぁ………、またあの興奮が甦ってくる。音楽と光、そして、到底人間業とは思えない怒涛のパフォーマンス、一度でもシルクのステージに触れると虜になってしまう事請け合いだ。
0526_2.jpg
 0526_3.jpg
のっけから総毛立った。「シングル・ハンドバランシング」。女の子がステージの中央に伸びたステッキを掴み、片手で倒立する。それだけでも目を見張るのに、パフォーマンはここからがスタートだ。片手で全身を支えながら、開脚、身体を左右に捻り、挙句にあり得ないような体位となる。それでも女の子は微笑んだまま、まるで重力を無視したように華麗に変化し続ける。
「ダブル・トラピス」はユニゾンの空中ブランコ。彼等が空中を舞う度に、一体何度ハラハラして声を上げ、賞賛の拍手を送った事か………。
「フープ・ダイビング」、丸い大小の輪を獲物を狙う肉食獣のようなしなやかさで潜り抜けて行く。リズムに乗って飛び跳ねるその姿は、人であって人でない。まさに超人なのだ。

どうしてあんな事が出来るんだろう………。もちろんズバ抜けた才能の持ち主が死ぬほど努力を重ねたからに違いない。それはそう、それはなのだが、でも………、どうしてあんな事が出来るんだろう………。シルクの舞台にはいつも、根底にある人間の凄味みたいものを感じる………。
今回もお腹いっぱい楽しんだ………。「ドラリオン」、そしてこの次は一体何を見せてくれるのか?既にその時が来るのを楽しみにしている自分がいる――――。

※ 「ドラリオン」福岡公演 6月15日(日)まで。
  未見の方は是非!!

2008/5/20 火曜日

『キュンストレーキ』

小森陽一日記 17:23:13

どこの学校にもまだ置いてあるのかな、人体模型。僕の通ってた学校には、理科室の隅にホコリを被って立っていた。確かお尻に落書きとかされてたなぁ………。

0520.jpg

先日取材で伺った先に、実に立派な人体模型があった。救命救急を学ぶ場所だったので、それこそ堂々としてピカピカで落書きなんかもされていない。立派なガラスケースの中に置かれていた。あまりにも立派だったので、思わずシャッターを切ったと言う訳だ。

さてこの人体模型、正式名称は「キュンストレーキ」と言うそうだ。オランダ語で意味は(人工の死体)。19世紀始めにフランス人の解剖学者オズーという人が、紙で作ったのが起源だと言われているとの事。紙製だと安いというのが最たる理由だったようである。でも今の一般的な人体模型はプラスチック製、紙製のものは安くても持ちが悪いし、扱っていると変形もするだろうから、次第になくなっていったのかもしれない。

そんな人体模型に目を付け、活躍する話を作った人がいる。KOO-KIの演出家、Tさんだ。この人が作った短編、もうべらぼうに面白くてセンスが最高!二日酔いで死に体だった僕が、この短編を見ている間だけはシャンとなったくらいだ。今、そのTさんと人体模型を主人公にした新たな物語を創作中、存分に楽しみたいと思っている。

2008/5/13 火曜日

『TAMIYAのプラモ』

小森陽一日記 17:17:56

久し振りにTAMIYAのプラモデルを買った。陸上自衛隊61式戦車だ。子供の頃はTAMIYAのプラモデルを随分作ったものである。戦車はもちろん戦闘機、船に車、バイクだって手を出した。作ると言えばそれまではもっぱら学年誌や学研の付録、TAMIYAの箱を開けて無数のパーツと解説書を見た時、ぐっと大人になった気がしたものだ………。あぁ、懐かしい―――。

0513_1.jpg

0513_2.jpg

いやいや、ノスタルジーに浸って怪獣から戦車へ鞍替え………、なんて事はない。今回61式戦車を買ったのは、それこそ怪獣を完成させる為なのだ。イーグルCRAFT製「恐竜戦車」。この「恐竜戦車」、恐竜が戦車の上に乗っているという名前の通りのとんでもないデザインなのだが、セブンの腕を轢いたり巨大な尻尾で滅多打ちにしたりとかなりの強敵だった。強敵と言えばキットも同じで、恐竜の部分はあっという間に組みあがるのだが、戦車の部分が実に手強い。以前にも20cmサイズのハイライト製「恐竜戦車」を作った事があるのだが、その戦車を完成させるのに滅茶苦茶手間取った。それは一重にパーツの問題である。

0513_3.jpg

キャタピラ―――。戦車の戦車たるものはやはりキャタピラ。だがガレージキットの場合、そのキャタピラがパキパキと折れる………。ドライヤーで温めても湯に浸けて柔らかくしても同じ、やっぱり折れる。それはなぜあろうレジンキャスト(合成樹脂)で抜いてあるからだ。車輪の周りに巻いている途中、いったい幾つのパーツに分離した事か………。今思い出しても泣けてくる………。だからこそ今回は同じ轍を踏まないように、サイズがピッタリのTAMIYA製61式戦車を用意したのである。

0513_4.jpg

案の定、今回の「恐竜戦車」もキャタピラはレジンキャスト。でも大丈夫、なんと言ってもTAMIYAのキャタピラはゴムなのだ!曲げても延ばしてもオッケー、ひどく乱雑に扱わない限り千切れる事もない。前回の苦闘を考えれば、これはもう魔法のような手軽さだ。

でも………、
しげしげと戦車を眺めていると、無性に男の子心が湧いてくる。やっぱりTAMIYAのプラモっていいよなぁ。久し振り、いろんなの作ってみようかなぁ。

2008/5/7 水曜日

『誕生日は天国と地獄』

小森陽一日記 17:47:12

ホームページを持つ事になって丁度一年が過ぎた。新聞のコラムのようなものをイメージして思いをつらつらと書いてきた。「硬い!」とか「クソ真面目!」とか「誤字脱字」を指摘されつつ、なんとか一巡りする事が出来た。これはもう一重に読んで下さる方のおかげ、どれだけ背中を押され、文字を綴る励みになった事か………。沢山のお越し、本当にありがとうございます。次の一年もどうぞ宜しくお願いします。

さて5月4日、GW真っ只中の誕生日の事。シーズンが始まって一度も出掛けていなかったヤフードームへ家族で足を運んだ。この数年、家族揃ってドームへ応援に出掛けると、決まってホークスは負けた………。しかもその負け方が半端じゃない。
王監督曰く「年に数回あるかないかの負け試合」という大敗である………。いつしか我が家族は、黒星を運んでくる不吉な存在と囁かれるようになっていた………。そのイメージをキレイに払拭する為、僕は今日の誕生日に賭けた。「41歳の春だから~」、最も敬愛し尊敬するバカボンパパと同じ歳になった、その運に賭けた。その結果は―――、大勝!!
松中さん、小久保さんのアベックホームランで逆転勝ち。生涯に何度も見られないであろう瞬間に立ち会う事が出来た。松中さん、小久保さん、ドデカイ祝砲をありがとうございます!!

0507_1.jpg

0507_2.jpg

―――さて、ここまでは天国の話。では表題にある地獄とは何か?
タクシーで自宅に戻ってくると、路上に強烈な異臭が漂っていた(実は数日前から時折肥溜めのような異臭がしていた)。タマゴの腐ったような匂い、硫黄のような匂い………、巷を騒がすアレ、硫化水素である。僕はすぐに知り合いの警察官Yさんに連絡した。Yさんの判断は素早かった。
「直ちに110番してその場を離れて下さい!」
すぐ側にある妻の実家へ避難した。ベランダに出ると、路上を響き渡るパトカーと消防車のサイレンが聞こえる。異様な高揚感………、ドキドキした………。
しばらくすると妻の携帯が鳴った。
『やはり硫化水素か!?』
そう思った。
だが………、
「何も匂いはしません。ついてはあなたに詳しいお話を聞きたいのですぐに自宅に戻って下さい」
警察からの指示だった。僕は狐につままれたような気分で自宅に戻った………。

予想通り、自宅前にはパトカー数台と消防車数台と警察、消防の方々(なんと僕が取材に入り、先日「トッキュー!!」を全巻差し入れした消防署だった)と、そして沢山の人だかりが出来ていた。その衆目の中で事情説明をした。しかし、ガス検をしても付近を捜索しても、それらしい匂いの痕跡はないという結果だった………。
「――――しかし、間違いなく匂いはしたんです!」
「わかりました。何かあったらまたご連絡下さい」
そう告げて皆さんは帰って行った――――。

断じて悪い事をした訳ではない。ただ………近隣を騒然とさせたという事実には変りなく、相当に気分が凹んだ………。
なんという誕生日。41歳初日はこうして華々しく幕を上げた――――。

0507_3.jpg

追記
その後、近隣の方達も異臭に気付いている事がわかった。あまり続くようであればどこかに通報しようかと考えていた人もいた。やはり異臭はするのだ。僕の鼻が悪い訳じゃない!
あの異臭の出所はどこなんだろう………。その件については追って報告します。

(C)CopyRight Yoichi Komori All rights reserved.