2009/9/29 火曜日

『お手並み拝見 その六』

小森陽一日記 10:11:51

蒸し暑かった夏が去り、一番好きな秋がやって参りました。芸術するも由、食べるのも由、本を読むのも身体を動かすのも由、2009の秋をたっぷりと満喫いたしましょう。という事で映画の秋、勝手に恒例映画談義スタート!

『ウォンテッド』ティムール・ベクマンベトフ監督 マイケル・ブラント他脚本
いいですね、アンジー。あの唇とあの瞳はもはや芸術品です。さて作品はというと、冴えないサラリーマンがある日突然闇の暗殺者にスカウトされ、徹底的にしごかれて弾丸をカーブさせる技を身につけ、色々と活動していく内に驚愕の事実を知ってしまう―――というもの。面白いけれどオチに関しては賛否あるのかな。僕は「へ?」という感じでした。

『サマーウォーズ』 細田 守監督 奥寺 佐渡子脚本 
「時かけ」コンビの待ちに待った最新作です。「宜しくお願いしま―――す!」と主人公が鼻血を出しながら叫ぶCMを見た途端、僕同様娘もツボに入っておりました。
物語にはビックリです。よくまぁこんな発想できるなぁと感心しました。CGも凄いし。しかし僕自身は前作の方が好みでした。あの衝撃は多分一生忘れないと思う。

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』デイビッド・イェーツ監督 J.K.ローリング原作 
前作、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」もそうだったんですが、次第に娯楽色が薄れ、重たい雰囲気作りが先行している感じがします。物語も詰め込みすぎで、原作を読んでいないとよく分かりません。佳境に入っていく重要な部分だからこそ、シンプルに、かつ大胆に攻めていって欲しいと思います。ハリーは好きなので次回に期待します!

『カムイ外伝』 崔 洋一監督 宮藤 官九郎脚本
松山くんがカムイ、英明くんが不動、脚本は官九郎さん、あの白土先生の世界をどこまで現実化出来るか?物凄く楽しみにしておりました。撮影中のゴタゴタや幾多の中断がありながらも完成したこの作品、本当におめでとうございます。………ただ、映画はちょっともったいなかった。役者さんの頑張りを作品が受け止めきれていない感じがしました。カムイの気持ち、スガルの気持ち、不動の気持ち、やはりこの世界観は原作、特にカムイ伝を読まないと分からないだろうなぁ。大学時代、1週間、まさに没頭してカムイ伝を読んだ。映画を深く知る為にも、未読の方は是非この秋にチャレンジして見て下さい。

今回はちょっと辛口になりました………。作品が好き、監督が好き、脚本が好き、役者さんが好きだからこそ厳しくなった部分もあります。因果応報、言った事は必ず自分に返って来ます。僕も懸命に作品作りに精進したいと思います。

最後に―――、
実りの秋をお届けして、お米の話を幕にしたいと思います。

0929.jpg

(C)CopyRight Yoichi Komori All rights reserved.