2008/1/15 火曜日

『新年一発目』

小森陽一日記 17:40:23

先日、「トッキュー!!」チームが集合した。担当である少年マガジンのSさんとTくん、そして久保ミツロウとその友人Hさん(ユリの苗字はこの人から取った)だ。昨年末の打合せの時、新章の仕込み取材を久保さんの帰省のタイミングでやってしまえたら―――と話をしていた。だが、取材はなにせ先方の都合がある。こちらの思惑通りに進む筈もない。しかも正月明けだ。連絡すらままならない。だが、事はトントン拍子に進み、年明け10日で全員集合、素晴らしい取材と相成った。

それにしても「トッキュー!!」は新年早々の取材が多い。確か昨年の新潟もそうだった。数年前、吹雪の中、西海橋周辺を巡視艇で巡ったのもこの時期だったと記憶している。なぜそうなるのかと言えば、―――そうしないと間に合わないからである。

取材しないと、ホンモノを見ないと決してリアリティは生まれてこない。これは絶対の法則である。だが、取材をするには時間がいる。移動に、現地で、ちょっと遠くに行くとなると一泊となる。この時間を捻り出すのが難しい。特に久保ミツロウというマンガ家にとっては至難の業なのだ………。

久保ミツロウは間違いなく才能がある。画才、文才、構成力云々。ここで僕が大声を張り上げなくとも皆さんは当にご存知だろう。だが、この人にはこんな才能もある。
「待たせる事」
ネーム、原稿は言うに及ばず、打合せに待ち合わせなど、兎に角様々な事で人を待たせる。そりゃぁもう芸術的ですらある。
現地の取材先で、
担当S「(小声)久保さん、ネームは?」
久保 「(小声)まだです………」
担当S「………」
久保 「………」
ピンと張り詰めた空気が辺りを包み込み、
小森 「(おたおた)………」
 
こういったシチュエーションにはもう飽きるくらい遭遇した………。だから取材は新年早々、合併号の貯金がある時じゃないと間に合わないのだ!

取材に協力していただいた皆さん、本当にありがとうございます。皆さんのおかげで無事に「トッキュー!!」の新章が描けます。

追伸
みっちゃん、今年は頼んだよ!!

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