2010/2/23 火曜日

『竹馬の友』

小森陽一日記 14:12:49

同級生と酒を飲むのはどこか気恥ずかしい。それが大暴れをしていた高校の同級生ともなると尚更だ。「あの頃お前はこんな事をした」、「こんな事を言った」、「こんな風だった」………、こっちはそのほとんど覚えていないのに周りはしっかり覚えている。まったく堪らない………。

以前にも書いた事があるかもしれないが、未だ同窓会なるものに出席した事がない。40歳を越えたら出ると言ってはいたものの、自分のやらかした事が多過ぎて目眩がしそうなのと、色んな奴の事をさっぱり忘れてるのと、やっぱりなんだか照れ臭い。「おぅ、久し振り」って言うのがなんとも気恥ずかしいのだ。

先日会った友は2人、1人は様々な企業のコンサルタントをしたり、大学の客員教授をしたりと全国のみならず世界を飛び回っているM、高校の頃はスマートだったが、今はどっからどう見ても社長としか考えられない恰幅の良さである。もう1人は公人だし名前を出しても叱られないと思うが、松尾剛と言う。NHKのアナウンサーだ。数年前は「おはよう日本」のメインキャスター、今は福岡放送局に転勤して夕方の番組を担当している。剛がアナウンサーをやっていると知った時は本気で仰天した。高校時代、そんな希望を持っているなんて聞いた事がなかった。(もっともアナウンサーになったのは成り行きだったそうだが………)

「俺は緊張しいの人見知り」
そう本人は言う。しかし、我が家に初めて遊びに来て、なんの遠慮もせずに居間に座り、堂々とラーメンを啜っている姿からは緊張や人見知りのカケラも感じられなかった。ちなみにMの方は、我が家に来て寝ている僕を待つ間、朝っぱらから焼肉を食わされた事があるそうだ。お袋はえてしてそういう事をする。

久し振り再会は楽しい反面やはり気恥ずかしかった。抜群の記憶力を誇るMの想い出話しに冷や汗を掻きながら大いに飲んだ。そして最後に剛とこんな約束をした。
「剛、いつか紅白歌合戦の司会しろよ!」
「そん時は陽一、審査員で出てくれる?」
「おう、もちろん!」
未来に向かってのこういうバカな約束は大好きだ。何年掛かるか分からないが、いつか実現させようと思う。そん時はまた大いにバカ言って笑いたい。

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