2010/7/20 火曜日

『梅雨明け発表の日、夏男が吼えた!』

小森陽一日記 14:06:08

本日17日午前11時、このブログをスタートさせてからこれで4度目の梅雨明けが来た。遡って自分の記事を読み返してみたら、2007年は空梅雨だと言われていたのが一転、梅雨末期の大雨が降った年だった。2008年は「トッキュー!!」の連載が終了した頃、即ちほぼ例年通りに梅雨が明けて暑い夏が来た。2009年はエルニーニョ現象による異常気象で、中々梅雨も明けずついに本格的な夏は来なかった………。そして今年は―――、凄まじいまでのゲリラ豪雨で各地に大きな爪痕を残す極めて獰猛な梅雨………、それもようやく終りを告げ、青い空とギラギラした太陽と庭にクマゼミという3点セットが現れた。なんて事を綴っていたら携帯が鳴った。英明くんだった。

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「小森さん、凄いっスよ………。凄いことになってますよ………」
電話の向こうから興奮している様子が伝わって来る。「海猿3」を試写室で観て、煮えたぎったままの勢いで電話を掛けてきた感じだった。
「何が凄いの?」
「出来です出来!ほんとに凄いです!」
「主役がそこまで言うか」
「はい。マジ凄いです!」
もう凄い凄いのオンパレードだった。

【役者は初めて繋がった映画を目にした時、どうしても客観的に観る事が出来ない。ストーリーに入り込む前に、「このシーン、もっとこうすれば良かった」とか「あぁ、ここをカットしたのか………」とか、そんな事が気になってしまう】
かつて英明くんはこんな風に語った事がある。
『なるほど、役者ってそういう感じ方をするものなんだな………』
良い悪いではなくそれが役者の生理、そう思ったものだ。だが、そんな彼が「海猿3」を客観的に観られなかった。どっぷりと物語に浸かり、興奮し、涙まで流したと言う………。これには本当に驚いた。

スタッフに対する感謝、キャストに対する感謝、培ってきたチームワークの素晴らしさ、何度もそれを口にしていた。集大成として、きっと誰よりも強い想いがあったんだろう。だからこそ、作品の出来栄えに震えたんだと思う。  
「ほんとに凄いですから!」
僕に向かって力強くそう言い放った伊藤英明、その言葉には飾りも迷いも照れもない。これはどんな巧妙な宣伝よりも強い。きっとこれから、この想いを沢山の人にストレートにぶつけて行くんだと思う。そしてその想いは確実に沢山の人に伝わるに違いない。

僕は来週(このブログがアップされた時は今週)「海猿3」を観る。本当に楽しみだ。

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