2010/11/16 火曜日

『祝、誕生日&8周年』

小森陽一日記 13:34:20

東京は神保町、路地の一角にその店はある。古民家の風情ある佇まい、よほど酔っ払って前後不覚になってない限り、飛び込みで入れるような店構えじゃない。とは言え、畏まってるとか高級ぶってるとかそんなんじゃない。しかし、ただものじゃない気配は通り一帯に漂っている………。

店内は1階がカウンター、2階に続く急な階段を上がるとお座敷がある。薄暗く、狭く、知ってる人も知らない人も男も女もみんな片寄せ合って座って飲む。これはこの店の暗黙のお約束。

僕はだいたい遅い時間に行くからバイトの子はほとんど知らない。顔を合わせてニコニコ話をするのはママさんだ。焼酎とつまみと与太話、それだけであっという間に数時間が過ぎて行く。実に不思議な店だ。

最初に僕をこの店に誘ったのは小学館の担当Kくん。「我が名は海師」、そして現在は「S」を一緒にやってる大阪出身の元ヤンた。彼は声がデカクて内緒話が出来ない。狭いカウンターで話をしたらお客さんみんなに話が筒抜けになる。だから最後はみんな知り合いになってしまう………。

先日、ママの誕生日と8周年を祝うパーティに出席した。総勢100人は越えていたと思う。電灯に引き寄せられる蛾のような人達がこんなにも沢山いた。いたというか、顔触れが物凄かった。キョンキョンも脳の茂木さんも小学館の社長さんもテレビでよく見るジャーナリストさんも、高名な作家さん達もゾロゾロ………。兎に角そうそうたる人達がいた。その中に僕も混じっている。ワッハッハ、ちょっと凄くなった気分だ。

とはいえセンターは程遠い。壁の染みではないけれど、まだまだ外野の存在だ。いい仕事をこなして気がついたらセンターにいた………なんて感じの軽い願望と野望を胸に灯した夜だった。

ママ、新たな一年、あらためて宜しくお願いします。

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