2008/10/21 火曜日

『キットの秋』

小森陽一日記 16:58:42

雨降らず、湿度上がらず、いと涼し――――。
秋………。読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋。しかし僕にとっての秋は、ずばりキットの秋である。

ここ数ヶ月、仮組みする事はあっても塗装までには至らなかった。もちろん忙しかったのもあるが、暑いのと、雨が多いのと、何より気持ちが向わなかったのが最大の理由だ。しかしここに来て製作意欲は全開、1週間で一気に3体も仕上げてしまった。この狂おしい熱情はもはや誰にも(プロデューサーにも編集者にも奥さんにも………)止められるものではないっ!!
原稿を書き終えていそいそと黄色いエプロンを着け、木漏れ日の注ぐ製作台へと向う。キットの目や爪にマスキングしながら、頭の中でベースの色をあれやこれやとイメージする。時には本を広げたりDVDを眺めたり………。そうして決めた色を取り出し、エアブラシで吹き付けて行く。やがて部屋中にほんのりとシンナーの香りが漂いだす。その頃にはもう鼻唄でも唄いそうな気分で作業は進んで行くのだ。

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怪獣無法地帯さんの「サイゴ」、忠犬ハチ公のようにお座りポーズで実に可愛い。しかし色合いでは随分悩まされた。着ぐるみの身体と顔の素材が違うのか、写真を見ると色の乗り方やツヤも違う。パープルを効果的に使おうと四苦八苦したのがいい思い出である。
ボークスのJr.ウルトラワールド「イカルス星人TYPEⅡ」、劇中の不思議ちゃんポーズの立体化である。ベースに特製の青味を効かせたのだが、悦に入って少々効かせ過ぎたかもしれない。前に塗った「TYPEⅠ」を見ると、同じ奴が塗ったとはとても思えないくらい違う………。
同じくボークスのJr.ウルトラワールド「ゴメスTYPEⅡ」、尻尾を振り上げ威風堂々の立ち姿なのだが、塗装は滅法苦労した。何度やっても体色の緑色がしっくりこない。それで判明した。緑色の塗装、実はとても苦手かもしれない………。
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――――まぁこの辺の事は後々キット解説の方に詳しく触れる事にして………、それにしても今回のブログは分からん人には何の事やらさっぱり分からんだろうなぁ。サイゴに引っ掛け、最後にお知らせを一つ。
「我が名は海師」で苦楽を供にした盟友武村勇治くんの新作が、いよいよ来月14日売りの「コミックバンチ」にて連載スタートです。
「義風堂々 直江兼続 -前田慶次 月語り」
あの、「花の慶次」のスピンオフ作品で、来年の大河ドラマの主人公でもある上杉家の名将、直江兼続が主人公の物語。原作を原哲夫さん自らが手掛けられる事も僕としては見逃せない。ちなみに武ちゃんから送られてきた兼続のイラスト、素晴らしく憂いがあった。武ちゃん、頑張れ!皆さん、どうぞ宜しく!!
………そうそう、「252」の主人公、篠原祐司の名前、字は違うけど武ちゃんの名前から取ったんだよ。あれ、言ってなかったっけ?

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