2009/2/10 火曜日

『お手並み拝見 その四』

小森陽一日記 10:26:38

月頭の恒例と言ってた筈が随分間が開いてしまいました………。これからはこそこそっとやる事にいたします………。

『20世紀少年 第一章』堤幸彦監督 福田靖・他脚本 浦沢直樹原作
スピリッツで「我が名は海師」をやっていた時、どうやったら「20世紀少年」より上位に行けるか、そんな事考えていたっけなぁ。兎に角メチャクチャ人気があった。実際、読んでいてほんとに夢中になった。その映画化第一弾がこれ。物語の面白さは体感しているので別の角度から観た。皆さん、キャスティングに驚かれませんでした?「わかるわかる!」っていうくらいピッタリの役者さん達。原作読んでたのに、ほんとに違和感なく映画に入れた。これって凄い事だと思います!

『攻殻機動隊2.0』押井守監督 伊藤和典脚本 士郎正宗原作
物語はそのままに、CG部分をハイグレード化されたものなんだが、うーん………。トップシーン、少佐がビルの上からダイブするCG画とその後のセル画がどうにも噛み合わない気が………。ほんとはすべてを作り変えたかったのかな。でも押井さんと伊藤さんのコンビは大好きなので、やっぱり楽しんで観ました。

『クライマーズ・ハイ』原田眞人監督 加藤正人・他脚本 横山秀夫原作
日航機墜落事故。未だに記憶に残るあの悲劇を、地方新聞の側から描いたドラマ。見応えありました………。どんどんドラマに引き込まれていって気持ちが揺さぶられて………。新聞社の編集局、まるで生ものを見ているようでした。役者さんの存在感がほんとに素晴らしい。主演の堤真一さんや堺雅人さんは言うに及ばず、誰もが一人の人間を演じていらっしゃいました。玉置千鶴子さん、よかったなぁ。

『感染列島』瀬々敬久監督 平野隆・下田淳行オリジナルストーリー
いつ始まってもおかしくない恐怖、新型ウイルスのパンデミック(感染爆発)を描いた作品。「252」でご一緒した下田さんが一から作り上げた物語。一言で言い表せば切なかった………。大切なものがいとも簡単に奪われていく惨状に、激しく傷つき狼狽しながらも懸命に立ち向かう医師、松岡。それでも彼は思うのだ。
「たとえ明日地球が滅びるとも、今日、君はリンゴの樹を植える」
病院の周りに捧げられた沢山の花束の上に真っ白い雪が降り積もる。ほんと、切なかった………。

それにしても今回は邦画ばっかだなぁ。クリント・イーストウッド監督、アンジェリーナ・ジョリー主演の「チェンジリング」、洋画では今これが一番観たい。

そのお話はまた次の機会に。

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